ラベルの読み方

leg.・det.とは? 採集者と同定者を読み分ける

MushApp · · 約4分

小さなラベルの人名の横にある、leg.とdet.。どちらも「誰の標本か」ではなく、「誰が何をしたか」を残すための略語です。

まず、ここだけ

leg.は採集した人、det.は同定した人。学名の後ろの命名者とは別です。

leg.は「採集」、det.は「同定」

leg.はラテン語のlegitに由来する採集者の略記。det.はdeterminavitに由来し、その標本を何という生物か判断した同定者を示します。植物標本にも使われる表現です。出典:シュトゥットガルト自然史博物館:採集者・同定者の略記(植物標本の解説) ↗

同定とは、観察した特徴を資料などと照らして分類上の位置を判断すること。標本を所有している人や、ラベルを入力した人と同じとは限りません。

2枚のラベルを読んでみる

説明用の架空の採集・同定記録。学名は表記例です。
JAPAN: Osaka, Minoh
9.IX.2026
M. Example leg.
Papilio xuthus Linnaeus, 1767
det. R. Sample, 2026-09-12

上のラベルは、M. Exampleが2026年9月9日に採集したという記録。下はR. Sampleが9月12日に同定したという記録です。Linnaeus, 1767は、この標本の採集者・同定者ではなく、学名の著者と発表年の情報です。命名者の扱いは学名の規則に関わります。出典:ICZN:動物の学名・亜種名に関するFAQ ↗

同じ人でも、役割と日付を分ける

自分で採集し、自分で同定した場合は両方に同じ名前を書けます。ただし採集日と同定日は別々です。「今日ラベルを作ったから採集日も今日」とはしません。

ここでの実務上の提案は、人名を後から照合できる表記で残すこと。紙で名前を短縮する場合も、台帳にはフルネームとの対応を残しておくと安心です。

後から名前が変わったら?

再同定では新しい同定者・日付・判断を追加し、古い同定情報も履歴として残す運用にしましょう。採集の事実まで書き換える必要はありません。データ標準でも採集の記録者(recordedBy)と同定者(identifiedBy)、同定日(dateIdentified)は別の項目です。出典:TDWG:Darwin Core用語集 ↗

採集者が不明なら、所有者の名前で穴埋めしないこと。分からない情報を、分からないまま残すことも大切な記録です。

一般的な入門解説です。分類群や収蔵機関によって表記・運用は異なります。掲載例は説明用で、実際の標本情報ではありません。

読んだら、ラベルを試してみる

採集情報と同定情報を入力し、サイズを変えながら確認できます。ブラウザーデモは一部の項目を使った簡易版です。

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