同定の記録

cf.・aff.・indet.とは? 名前が決まらない標本の残し方

MushApp · · 約4分

似ているけれど、言い切れない。そんなときに無理に種名を決める必要はありません。どこまで分かり、何が未確認なのかを残しましょう。

まず、ここだけ

略語だけで確信度は伝わりません。判断した人・日付・根拠や保留理由を一緒に残します。

よく見る3つの表現

cf. — 比較・確認を要する
候補の種に似ているものの、さらに比較が必要なことを示す用法があります。
aff. — 近縁・類似を示す
ある種に近いが、別の種かもしれない材料などに使われます。cf.との区別は文献・分野で揺れがあります。
indet. — 未同定
該当する階級で同定できていないことを示します。単独ではどこまで分かっているのか不明瞭なので、分かる分類名も残します。

これらは暫定的な同定を表す用語です。特にcf.とaff.には統一されていない使い方があり、一定の「正解率」を示す記号ではありません。画像同定を扱う研究でもこの不一致が指摘されています。出典:Hortonほか(2021):暫定的な同定表記の用法と注意点 ↗

略語と、判断メモを一緒に書く

表記の説明用。実際の標本を同定した例ではありません。
Papilio cf. xuthus
det. M. Example, 2026-09-12

この例なら「候補はxuthusだが、追加の比較が必要」とした理由を台帳へ残します。例えば「翅の特徴は近いが、確認すべき形質を観察できていない」など、未確認の点を具体的に書く方が、略語だけより役立ちます。

写真の候補や検索結果を見ただけで、cf.を消して確定名に置き換えないようにしましょう。

属も分からないときは?

例えば科までは分かるが属を決められない場合、Carabidae gen. indet.のような表記で「オサムシ科・属未同定」を表すことがあります。gen.は属を指す略語です。確実に分かる階級を起点に記録し、使った略語の意味も台帳へ残しましょう。

ここでは科が確実に分かっていることが前提です。何も分からない標本に、見た目だけで科名を付けることをすすめるものではありません。

sp. Aなどの仮の区別を使うなら

同じ属の未同定標本を比較するために、sp. A・sp. Bと仮に分ける運用もあります。ただしA・Bは世界共通の名前ではありません。別の人のsp. Aと一致するとは限らないため、写真・標本との対応、区別した特徴、誰が付けた仮称かを保存しましょう。

当サイトでのおすすめは「確定名」「候補名」「観察メモ」を混ぜないこと。後で同定が進んでも、以前の判断へたどれる記録にしておきます。

一般的な入門解説です。分類群や収蔵機関によって適した方法は異なります。掲載例は説明用で、実際の標本情報ではありません。出典の図を参照し、実物で判断に迷う場合は専門家へ相談してください。

記録をラベルにするなら、バイオラベラー。

無料基本版で入力・印刷・管理を試せます。学名補完やQRなどは任意の買い切りアドオンです。

デモはインストール不要。Windows 10(2004以降)/11・x64の基本版は無料。追加機能は任意の買い切り購入です。

機能と料金を比較