破損した部位も標本の一部として対応を残し、元の記録を消さないようにします。
脚・触角が折れた
乾燥した関節を動かした、細い部分をつかんだ、仮針へ引っ掛けたなどを考えます。破片を別の個体へ付けないよう、同じ仮番号の小容器等に分けて保管し、欠損を台帳へ記録します。重要な形質を隠すような大量の接着はしません。
次回は状態確認、支持を外す順番、個体間の間隔を見直します。学術的に重要な標本の修復は専門家へ相談します。
翅の鱗粉が取れる・紙が引っ掛かる
指や紙の摩擦、湿気、紙の取り外し方を確認します。こすってきれいにしようとせず中断します。翅を大きく見せるために無理に引っ張らないでください。
参考・出典:Oregon State大学:針刺し・展翅・ラベル(図付き)乾かない・姿勢が戻る・カビが見える
固定を早く外した、湿気が強い、材料の保存方法が合っていない可能性があります。ほかの完成標本から分け、処理の経緯を残します。異常のある個体を同じ箱へ入れたり、加熱・漂白で急いで解決しようとしたりしません。
ラベルや写真の対応が分からなくなる
仮番号・元のメモ・撮影日時・元ラベルを照合します。判断できないものに、もっともらしい産地や日付を付けて確定しません。対応不明と記録し、推定は根拠と一緒に残します。
次回は1区画1個体、仮番号の紙を一緒に移す、1点ずつラベルを付ける運用にします。
相談するときに伝えること
博物館、昆虫標本に詳しい教員・指導者などへ、重要度と目的も伝えて相談してください。MushAppのアプリ窓口は学術的な同定や標本修復を保証する窓口ではありません。
一般的な入門解説です。分類群や収蔵機関によって適した方法は異なります。掲載例は説明用で、実際の標本情報ではありません。出典の図を参照し、実物で判断に迷う場合は専門家へ相談してください。